家庭教師個人契約のトラブル・注意点・比較

「金銭的にお得」「先生を直接選べる」などのメリットも多い「家庭教師の個人契約」ですが、個人契約サイトが乱立している昨今、様々なトラブルも発生しています。中には、(月々マージンをとる)「単なる仲介サイト・斡旋サイト」なのに個人契約という文言を偽ってホームページに載せているなどの悪質なケースも散見されます。

家庭教師サイト運営歴20年以上の「家庭教師の総合情報」が、個人契約サイトを選ぶ際のポイント・注意点・比較の仕方・選び方・トラブル防止方法などを詳細に解説いたします。

家庭教師の個人契約とは

派遣会社や斡旋会社を通すことなく、個人間で契約を結び、月々の受講料の受け渡しを先生・生徒保護者の間で行う家庭教師の形態を「家庭教師の個人契約」といいます。紹介料0円~2万円程度を紹介サイトや法人・団体・大学・生協などに支払い、月々の授業料の支払いは個人間(生徒保護者と講師の間)で行う家庭教師の形態です。

知人のお子さんや親せきなどを指導するという形態での「家庭教師の個人契約」は古くから行われておりましたが、爆発的に利用が増えたのは「個人契約サイト」と呼ばれているWEBサイトが登場してからです。「個人契約サイト」は約25年ほど前にアメリカで登場し、日本には約20年前から登場しました。当サイトの個人契約コーナーも約20年前から運営しております。

無料で複数の候補者から選べる当サイト(「家庭教師の総合情報」)を除くと、「先生が決まるまで同一料金で利用できる紹介サイト(成約しなかった場合は料金が発生しない場合が多い)」と「料金を支払うと1人の先生の連絡先を教えてもらえる紹介サイト(成約しなくても料金が発生する場合が多い)」の2種類に大別されます。前者の手数料は2万円前後、後者は8千円前後が相場になっています。

個人契約サイトの料金とサービス内容の比較

家庭教師の個人契約サイトは(教師登録者・生徒が一定数以上いるサイトだけで)10~15サイトあります。毎年新規のサイトが多数できていますが、その多くが教師登録者・生徒を集められずに1~2年で廃業しています。

家庭教師の個人契約サイトの料金とサービス内容は主に以下の3つに分類できます。

1.講師・生徒ともに無料の個人契約掲示板タイプ
講師・生徒ともに料金がかかりません。講師になりたい人は「教師募集掲示板」の求人案件を見て応募したり、「生徒募集掲示板」に投稿して生徒を募集することができます。生徒の保護者の方は「生徒募集掲示板」で先生候補者を見つけて直接メッセージを送信することができます。又、「教師募集掲示板」に投稿して講師を募集することも可能です。

主な特徴は以下となります。
・無料で利用できる
・複数の候補者とのメッセージのやり取りが直接できる
・複数の候補者の面接や体験授業が可能

当サイトの個人契約コーナーがこのタイプになります。

当サイト(家庭教師の総合情報)の「個人契約コーナー」
https://kojin.tands.to/


2.紹介料が2~3万円の個人契約斡旋サイト(複数名に打診可)
紹介料を生徒保護者が個人契約斡旋サイトに支払うことで、講師が決まるまで複数名とメッセージの送信ができるサイトです。(面接まで複数名行えるか否かはサイトによって異なります。)成約した場合のみ料金が発生するサイトと、面接を1名以上行った段階で料金が発生するサイトがあります。このタイプのサイトの紹介料の相場は2~3万円となっています。


3.紹介料が5千円~1万円の個人契約斡旋サイト(原則1名のみに打診可)
紹介料を生徒保護者が個人契約斡旋サイトに支払うことで、1名の講師の連絡先を取得でき、メールのやり取りができるサイトです。成約でなく連絡先1名の取得に対して料金が発生するタイプです。このタイプのサイトの紹介料の相場は5千円~1万円となっています。

上記「2」に比べると安価で手軽に利用できるので最近増えているタイプですが、「取得した連絡先が出鱈目だった」「面接をドタキャンされて料金の払い損になった」などのトラブルも多数報告されていますので、このタイプのサイトを利用する場合は口コミ・評判・トラブル事例などを事前に確認してから利用するサイトを決めることをお薦めします。

一部のサイトは管理体制が甘く、他サイトで「出禁」になっている「問題講師」を放置しているサイトもあるようで、そのようなサイトでは金銭トラブルなどが多数報告されています。サイトを利用する際は、管理体制が整備されているか否かにご注意ください。「一部の(自称)プロ家庭教師が何度も投稿してサイト内の掲載上位にしばしば出てきて目立っている」などのサイトは管理体制が甘いため、トラブルが多いようです。

個人契約には該当しないもの

「生徒保護者が月々支払う料金の中に法人・団体などの取り分が含まれている場合」や「講師紹介時に多額の教材費がかかる場合」は、一般的に個人契約・直接契約には該当しないものとされています。

家庭教師の先生に依頼する方法のうち、「個人契約」に該当しないものには以下のようなものがあります。

1.月々の授業料を生徒保護者が紹介元(斡旋会社など)に支払い、その一部を報酬として会社・団体が講師に支払う。

2.月々の授業料を生徒保護者が講師に支払い、その一部を紹介元(斡旋会社など)に講師が支払う。

3.生徒・生徒保護者に講師を紹介して貰う際に、教材費を紹介元(斡旋会社・教材販売会社など)に支払う。講師の授業料は生徒保護者が講師に直接支払う。

最近増えている「偽」個人契約サイト

最近、個人契約のトラブルとして増えているのが、上記の「1」や「2」に該当し、「個人契約」ではないにも関わらず、ホームページ上では「個人契約」という文言を使って、「教師になりたい方」や「教師を探している方」に誤認させて登録・利用を促しているケースです。

このような場合、生徒の保護者が月々支払う料金の中にマージンが含まれていますので、それらのサイトは「斡旋サイト」ではありますが、「個人契約サイト」ではありませんのでご注意ください。

実態は、低品質・低サポートの斡旋会社・紹介会社にすぎません。以前から一部の家庭教師派遣会社が(メインのブランドとは別に)廉価ブランドとしてこのようなサービスを立ち上げるケースはありましたが、授業開始後のサポートや受験情報や模試などの提供は行っていたので、(個人契約と誤認させた点ではグレーですが)あまり問題にはなっていませんでした。

ところが、授業開始後のサポートをするわけでもなく、受験情報や模試などの提供をするわけでもないにも関わらず、家庭教師派遣会社のように月々のマージンを徴収するという「新しい」タイプの斡旋サイトが最近増えています。

それらのサイトが「斡旋サイト」として運営する分には問題ありませんが、サイト上に「個人契約」という文言を記載している場合があり、多くの利用者が「個人契約」と誤認して利用してトラブルになっているケースが報告されております。

これらのサイトの料金徴収方法は以下2通りです。
・月々の料金を紹介元(斡旋会社など)に生徒保護者が支払い、その一部を紹介元(斡旋会社など)が講師に支払う<多くの家庭教師派遣会社と同じ仕組みです>
・月々の料金を講師に直接、生徒保護者が支払う。講師はその報酬の一部を紹介元(斡旋会社など)に銀行振込などで支払う

大学生や社会人の方で、個人契約サイトと間違えて登録して、生徒を紹介してもらったものの、「(サポートなどは何もないのに)毎月マージンが抜かれていることに後から気づいた」「個人契約と思って登録したのに紹介元(斡旋会社)から毎月請求メールが来た」などのトラブルが多発しています。ご注意下さい。

生徒保護者の方は、「料金がどのタイミングでいくらかかるのか」を正しく理解したうえで、利用するサイトが「(本物の)個人契約サイト」なのか「(毎月手数料が発生する)斡旋サイト」なのかを判別したうえで利用して下さい。

大学生や社会人などの講師になりたい方も、サイトの仕組み・料金体系をよく読み、「個人契約サイト」なのか「(毎月手数料が発生する)斡旋サイト」なのかを判別したうえで利用しましょう。

「個人契約」と誤認させて利用者・登録者を獲得する手口は悪質ですので、このようなサイトとは関わりを持たないことを強くお薦めします。